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Webマガジンreport

県内の赤い羽根の使いみち紹介 ※画像をクリックすると記事が読めます

社会福祉法人福成会が運営する障害福祉サービス事業所 「清流園」
  • 社会福祉法人福成会が運営する障害福祉サービス事業所 「清流園」 所長 笠井 喜世志 さん
  • 新しくなった厨房器具です。ピッカピカです。
  • 昼食の様子です。いい笑顔ですね。
  • 「見える化プロジェクト」について説明いただきました。
  • 昨年の「事業所実践発表会」の様子です。
  • 「福成会で生まれたちょっと素敵な話」ネットでも読めますよ。個人的に、クッキーの話、好きです。
  • 阪神昆陽高等学校との避難訓練の様子です。
  • 阪神昆陽高等学校へ広報誌を届けに・・・
  • 玄関前に素敵な花壇がありました。
report:2017年6月

昨年度の共同募金運動により県内で集められた募金を、今年度、県内の社会福祉施設や団体へ配分を行いました。今回は、さっそく、共同募金配分金で厨房機器の買い替えをすることになった、尼崎市にある障害福祉サービス事業所「清流園」を取材してきました。
 
当事業所では「生活介護」という、食事や排泄等の介護や日常生活の支援のほか、菓子製造や陶芸、さをり織りといった生産活動、レクリエーションなどの生活に関わるサービスの提供を行っています。
 
尼崎市の最北西部に位置し、すぐ西側に武庫川が流れる自然に囲まれた事業所です。
「清流園」という名前の由来も、武庫川の疎水「六樋の清流」からつけられたそうです。

                                      
所長の笠井 喜世志 氏にお話を伺いました。
 
―今回、新しい調理器具が納品されましたが、みなさんの反応はいかがですか?
 
清流園は今年で設立27周年私が6歳の時に設立されています。歴史を感じています。器具備品類の劣化も激しくなり、今までがんばってくれていた多くの機材がその役割を終えようとしています。製造に支障をきたす恐れもあり、調子を見ながら使用するという毎日でしたが、今回調理器具が新しくなり、大変喜んでいます。利用者の方に提供している食事の調理に使用させていただいています。
 
昼食は、みんなが笑顔になる楽しみの1つです。調理スタッフも新しい調理器具の納品に喜びを感じ、腕によりをかけておいしい昼食を作ってくれています。
 
障害福祉サービス事業所の運営は、財政的に厳しい現状があります。その中で、今回要望したような大きな備品は、急に不具合が起きることがあります。今回の配分金をいただき、買い替えることができて大変感謝しています。
 
玄関の目立つ場所に、共同募金を活用させていただいたことを掲示してPRしていますよ。
共同募金が役立てられていることを、来所された方々や地域の方々に伝えることも大事ですね。
 
―ありがとうございます。ところで、玄関の所に掲示されている「見える化プロジェクト」とはどのようなプロジェクトですか?
 
見える化プロジェクト』は、支援現場で取り組んでいる「工夫」を、スタッフ同士が、
「共有」 → 「評価」 → 「改善」するもので、平成21年度より試験的に実施し、1年半ほどで飛躍的な効果が表れました。
 
まず、日々利用者の方へ提供している支援のなかで工夫していることを、写真におさめて模造紙に貼り出します。次に、個別の支援か、事業所全体で有効な支援かを共有します。そして、それらの支援工夫は、利用者の方に有効活用できているかみんなで考え評価します。有効であった場合には、継続支援を実施しながら、評価も継続します。
 
見える化」で、スタッフからの自発的な提案が増え、貼り出すことで視覚的に利用者の方や家族の方にも分かりやすくなりました。また、効果のあった支援とそうでなかった支援を振り分けることもできました。さらに、研修計画を立て専門分野について学ぶ機会を設けました。これらの取組みを経て、平成25年度からは法人全体での取り組みとして実施し、誰でも参加できる「事業所実践発表会」にも活かしています。障害福祉で課題となりつつある高齢化や自閉症の方への支援、活動や作業における支援工夫などを、地域のみなさまと共有させていただいています。
 
―「清流園」発の取り組みが法人内、そして地域に広がっているんですね。
  また、法人内の研修にも力を入れられていますね。
 
ある研修で、福祉業界に対するイメージ調査の結果を見たことがあり、そこには「難しい」「厳しい」「報われない」など、何となく大変な仕事だというネガティブなイメージがありました。しかし、実際の現場でスタッフからは全く違ったイメージがあがっていました。そこで、スタッフとこの仕事について改めて話をしたところ、「感動」「喜び」「やりがい」などの体験談が次々と出てきました。そして、集まった体験談が福成会で生まれたちょっと素敵な話 ~職員の体験談集~として1冊の冊子になりました。現在は、法人内研修において、体験談やグループワークから自分たちの仕事のやりがいを再確認する研修を行っています。
 
―隣接している建物は兵庫県立阪神昆陽高等学校ですね。歩いて10秒、近いですね・・・
 
以前から、授業の実習で生徒さんが来てくれています。平成27年度に担当の先生からの提案で、利用者の方とスタッフで学校を訪問し、生徒さんとの交流が始まったんです。そして、平成28年度は防災訓練を合同でしましょうという話になったのですが・・・
実は、当事業所は尼崎市、学校は伊丹市にあり、ちょうど市境。行政等が作成する防災マップは市単位のものが多く、1キロ離れたところへ避難することになっていました。そこで、関係機関へ問い合わせ、学校の協力も得ることができ、学校へ避難する訓練が実現しました。このことは、利用者の家族の方にも大変喜ばれました。隣接する保育園もあるので、今年度は、一緒に避難訓練ができたらと思っています。
 
―最後に今後の展望についてお聞かせください。
 
先にお話した「見える化」プロジェクトは、9年目を迎えます。当時の所長が、支援する上でスタッフが工夫している支援や気づきを全体で共有し、利用者の方のために引き継いでいきたいとの想いで始めました。本プロジェクトにより、現場力を高めることができ、離職率も減少しています。また、法人内でも各事業所の垣根を越えてスタッフ同士がつながっています。
 
「見える化」から「つなぐ化」へ。
 
先日、市内12ヵ所の自治会が集まる会合に参加した際、当事業所が今年度配分を受けたことをお話しました。配分いただいたことをきっかけに、自治会の方にも募金の使いみちについて伝えることができましたし、私たちもできることがあれば、共同募金運動に協力させていただきたいと思っています。
 
今後も、支援の高みを目指して、事業所の機能や福祉の専門性を活かした取り組みを、利用者の方はもとより地域で共に暮らす住民の方へも発信していきたいと思っています。そのためにも、同じことを繰り返すのではなく、視点を変えながらスタッフ同士で支援の輪を広げていきたいです。また、近隣の住民の方や学校、保育園、関係団体とも、日頃から顔の見える関係づくりをさらに広げ、利用者の方たちとの交流を大切につなげていきたいと思います。
 
 
取材を終えた後、広報誌を届ける笠井所長に同行させてもらいました。本当に、歩いて10秒のところに阪神昆陽高等学校があり、写真撮影も快く承諾いただきました。
こうした日々のつながりと、防災にもつながる顔の見える関係づくり。大切ですね。
 
取材・文 松下みどり

 
【法人情報】
兵庫県尼崎市塚口本町6-12-15
TEL:06-6416-0051/FAX:06-6435-9630
 
兵庫県尼崎市西昆陽3-39-1
TEL:06-6438-4721/FAX:06‐6438‐4753
 
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